【猫のひげlog】vol.2- 猛暑にしみる寒天の味


「猫のひげ」にようこそ! ありがとうございます。
毎日暑いですね。みなさま、ご体調はいかがですか。

京都は最高気温35度前後の猛暑が続き、私はもうバテバテです。ふう。
暑いときの私の悩みは、食欲がなくなることです。「土用の丑の日」に鰻を食べると良いと聞きますが、一切れいただけば十分。
食欲が衰える分、おやつで栄養補給したい今日この頃です。

私が夏に好んで食べるおやつに「寒天」があります。

京都は、寒天スイーツが食べられるお店がたくさんあるんですよ。
かき氷やアイスクリームみたいにお腹が冷えないのも、胃腸が弱い身には好ましい。

寒天スイーツの中で一番お気に入りは、「みつばち」(上京区河原町今出川下ル)の豆かんです。
ほんのり磯の香りがする寒天に、赤えんどう豆の塩気。黒みつをかけていただきます。粒あんと甘酸っぱいあんずがのった「三色豆かん」(→TOP写真)は贅沢気分。甘すぎるお菓子は苦手なので、こういう素朴な味は、ほんとうに癒されます。

寒天の美しさを愛でたいときは「大極殿本舗」琥珀流しを。お店は、本店(中京区高倉通四条上ル)、六角店(中京区六角通高倉東入)があります。
琥珀流しのみつは月替わりで、7月はペパーミントと赤紫蘇。暑さを吹き飛ばす爽やかな色と味。寒天は、ほろほろとやわらか。

夏目漱石は「草枕」で、羊羹について「あの肌合が滑らかに、緻密に、しかも半透明に光線を受ける具合は、どう見ても一個の美術品だ 」と書いています。琥珀流しはもう少しポップでレトロな感じ。私はいつも、夜店に並ぶガラス細工を連想します。

贅沢な気分に浸りたいときは「虎屋菓寮 京都一条店 」(上京区一条通烏丸西入)。テラス席でぼーっと庭を眺めながら、あんみつを口に運ぶと、ざわついていた心が静まります。写真は限定のきな粉あんみつ

ところで、伏見区、丹波橋駅から徒歩5分のところに「寒天発祥之地」の碑と駒札があります。18世紀の『和漢三才図会』『伏見鑑』には、伏見で寒天がつくられていた記録があるそうです。

まちを歩いていて、偶然こんな歴史を知ることも、京都の魅力かもしれません。
今日が、みなさまにとって幸せな日でありますように。


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