【猫のひげlog】vol.4- 六道まいり、「迎え鐘」の音でお盆スタート


六道珍皇寺 迎え鐘

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そろそろ、お盆休みの方が多いかもしれません。のんびりできるといいですね。
京都のお盆といえば、有名なのは五山送り火。お盆を締めくくる行事です。
夜空を照らす「大」「妙」「法」などの炎は、テレビでもすっかりおなじみです。

では、お盆の始まりは?
送り火ほど有名ではありませんが、「六道まいり」があります。

8月7日、初めて「六道まいり」に行ってきました。
六道まいりは京都市東山区の「六道珍皇寺」で行われ、お精霊さん(ご先祖の霊)を迎える人々が訪れます。
このあたりは平安時代、「鳥辺野」と呼ばれた風葬の地の入り口でした。あの世とこの世の境界というわけです。

お参りの人たちは高野槙を買い、水塔婆に亡くなった方の戒名、俗名を書いてもらい、「迎え鐘」をついてお精霊さんを迎えます。
「お帰りなさい。私たち、ここですよ」ってお声がけするようなものでしょうか。

京都に住んでいると、早朝や夕暮れによく、お寺の鐘の音を聞きます。
時を告げる鐘は「ゴーーーーーン」と低音です。六道珍皇寺の迎え鐘は「コーン」という優しくて澄んだ音。
お堂から出た綱を引いて鳴らしますが、弱々しい音ではなく、かなり遠くまで響きます。
ご先祖さまに聞こえるよう、あの世まで響くといわれています。

たくさんの「コーン」という音が、絶え間なく空をふるわせ、太陽がゆっくり沈んで夜になる。
私は「迎え鐘」の音の優しさに、京都の人の美意識を感じます。

「六道まいり」は、ヘリテージハブ京都のまちあるきで参加しました。
六道珍皇寺のほかにも、西福寺で仏教絵画「九相図」を見て説明を聞いたり、みなとや幽霊子育飴本舗に立ち寄ったり。

子どもの頃、毎年お盆になると、お寺さんが家に読経に来てくださいました。正座の足がしびれて、まだ終わらないかなあと思っていたことを、ふと思い出しました。

六道まいりをした日は立秋。
夕方に雨が降った後は、風が涼しくて秋の気配がしました。

今日が、みなさまにとって幸せな日でありますように。


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